医療費控除

医療費控除とは？

医療費控除とは、1年間（1月1日〜12月31日）に支払った医療費のうち、一定の金額を超えた部分について、所得控除として申告できる制度です。

確定申告で医療費控除を申請すれば、所得税や住民税の還付・軽減が受けられます。

控除の対象になる金額

控除される金額は、以下の計算式で求められます。

（実際に支払った医療費）−（保険金などで補填された金額）−10万円
※総所得が200万円未満の場合は「10万円」ではなく「所得の5%」

医療保険をかけていて、手術などで保険金をもらっていれば、その金額は差し引かれます。

また家族全員分の医療費を合算できます。

医療費控除の対象になる主な費用

医療費控除の対象になるのは、以下のような費用です。

• 病院・診療所・歯科などの診療費
• 処方された医薬品の購入費
• 出産費用（分娩費用、通院費など）
• 通院にかかった交通費（公共交通機関が原則）
• 親や子どものために支払った医療費（生計を一にしていれば対象）

電車やバス代も対象になるので、使った場合は計算に含めましょう。

対象外の例

• 健康診断（異常が見つかっていない場合）
• 美容整形
• 市販のサプリメント
• 自家用車での通院費（ガソリン代・駐車場代）

医療費控除の申請方法

1. 1年間の医療費を集計
   レシートや領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作成します。
2. e-Taxまたは税務署で確定申告
   書類を提出することで、還付や軽減が受けられます。
3. 5年間の遡り申請も可能
   過去に申告し忘れていた場合でも、5年以内なら申請できます。

毎月11日に前々月診療分の医療費情報が更新されます。 確定申告に利用するための1月から12月までの医療費通知情報は例年、原則2月9日に一括で取得可能となります。

医療費控除とセルフメディケーション税制の違い

「医療費控除」は合計金額が多いときに使える一方で、セルフメディケーション税制は年間1万2,000円以上の特定医薬品の購入に対する控除です。

どちらか一方しか選べないので、シミュレーションして有利な方を選びましょう。

まとめ

医療費控除は、年間の医療費が高額になった場合に税金を減らす強力な制度です。

家族全体の医療費を合算できるため、家計全体で見直すと対象になるケースもあります。